知らないと損する? サラリーマンの社会保険について

前回、妻の事がきっかけで、社会保険について詳しく知る事ができたというお話をしました。

恐らく、希な事例だと思いますので、みなさんに同様の事態が起こるようなことは、ほとんどないと思います。

しかし、病院にかかったり、体調不良で仕事ができなくなったり…

このようなことは、誰しも経験することではないでしょうか?

そんなとき、加入している社会保険から様々な保証を受けることができるのです。

しかし、会社に属して働いている人は、忙しく、なかなか自分自身が当事者にならない限り、積極的に社会保険について知ろうとは思いません

毎月の保険料も、給料から天引きなので、年間いくらの社会保険料を支払っているのかすぐに答えられる方も少ないのではないでしょうか?

そこで、この記事では、サラリーマンの社会保険制度について、詳しく解説していきたいと思います。

この記事を読めば、社会保険について、知っておくべき最低限のことが理解できるようになります。

こんな方におすすめ!
会社勤めの方で、毎月社会保険にいくら支払っているのかご存じない方。
☑社会保険の仕組みについて知りたい方。
☑体調不良で会社を長期休業しようと思っている方。
目次

1、社会保険の仕組み

まずは、社会保険の仕組みについて解説していきます。

社会保険には、医療保険、介護保険、労働者災害補償保険(労災保険)、雇用保険、年金保険という5つの制度があります。

社会保険=医療保険、介護保険、労働者災害補償制度、雇用保険、年金保険

それぞれ見ていきましょう!

①医療保険

今回詳しく取り上げるのが、この医療保険、とりわけサラリーマンの医療保険についてです。

医療保険は会社員と個人事業主やフリーランスで加入母体が異なり、会社員やその家族が加入する健康保険と個人事業主や学生などが加入する国民健康保険に分かれ、受けられる保証内容も異なります。

こちらについては、後ほど詳しく説明しますが、この医療保険に加入していることで、病院にかかった際の自己負担比率が軽減されたり、出産手当金、傷病手当金など、状況によっては給付金を得ることもできます。

保険料は、健康保険は労使折半、国民健康保険は全額自己負担となります

②介護保険

介護保険は、その名の通り、介護が必要になった場合、市町村から認定を受けて給付が受けられる制度です。

対象者としては、65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者があります。

保険料は、第1被保険者は公的年金から天引きされ、第2被保険者は健康保険(国民健康保険)の保険料と併せて徴収されています。

つまり、会社員が40歳になると、毎月、健康保険料と併せて介護保険料が給料から天引きされていきます。

40歳になるまでは、介護保険料は引かれません。

③ 労働者災害補償制度(労災保険)

こちらは会社員の負担は0の保険です。

主に業務中や通勤中の災害(けが、病気など)に備えて事業主側が全額負担しますので、会社員という目線であれば、特に気にすることはないでしょう。

④雇用保険

雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上であること、同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用される見込みがあることなどの要件を満たす労働者が加入対象となり、保険料は事業主と労働者で負担します。

会社員も負担しますが、健康保険とは異なり負担料は定額になります。

業種によって負担料は異なりますが、基本的には賃金(給料)の1000分の3(20万円の給料の場合、20万円✕0.3=600円)程度になります。

失業時の給付や、育児休暇取得時に職場復帰を前提として育児休業給付が受け取れます。

⑤年金保険

これはみなさんご存じ、老後の年金のための保険です。

日本国内に住所がある20歳以上60歳未満のすべての人が支払い義務がある国民年金と、企業の従業員で原則70歳未満の人が加入する厚生年金があります。

国民年金の保険料は、本人の所得に関わらず、定額で(2020年度は)月額16,540円です。

会社員であれば、国民年金という名目での支払いはなく、厚生年金を支払うことで、国民年金も併せて引かれることになります。

厚生年金の保険料は、標準報酬月額という、毎月の給料の平均値で決まり、毎年改定されます。

2、 会社員の医療保険と年金保険

社会保険について、医療保険、介護保険、労働者災害補償制度(労災保険)、雇用保険、年金保険があるということはご認識頂けたと思います。

介護保険、労災保険、雇用保険については、会社員の場合、自己負担が少ない(もしくはない)ため、そこまで意識する必要はないです。

しかし、医療保険と年金保険は、負担が非常に大きく、またどのような仕組みで保険料が決まり、給料から天引きされているのかを知らないと、場合によっては私のように、後々もめることになりかねませんので、しっかりと理解しておかなければなりません。

医療保険と年金保険について詳しく見ていきましょう!

①会社員の医療保険・年金保険の保険料はどうやって決まる?

毎月、当たり前のように引かれている、医療保険料・年金保険料ですが、保険料はどうやって決まっているかご存じでしょうか?

給料明細を確認すると、「去年より保険料が高く(低く)なっているな…」と気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。

そう!保険料は皆さんが受け取られている給料で決まってくるのです。

ちなみに、これらの保険料は、「健康保険料」「厚生年金保険料」という名目で給料から天引きされています。

では、保険料の計算方法について見ていきたいと思います。

まず、これらの保険料は、毎月の給料をもとに、報酬月額を割り出します。

そして、その報酬月額によって決定する標準報酬月額に応じて、健康保険料・厚生年金保険料が引かれるような仕組みとなっているのです。

標準報酬月額とは?
健康保険・厚生年金保険では、被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分した標準報酬月額と税引前の賞与総額から千円未満を切り捨てた標準賞与額を設定し、保険料の額や保険給付の額を計算します。(協会けんぽHPより)

ここで注意して頂きたいのが、報酬月額の算定基準です。

報酬月額とは、毎月の額面給料の平均値となりますが、年間の平均値ではなく、毎年4月~6月の給料の平均値が、年間のみなし報酬月額となり、これが、その年の9月~翌年8月までの1年間の保険料となるのです。

標準報酬月額は毎年4~6月の給料の平均値で決まる!

例えば、4~6月までの給料がそれぞれ、20万円・18万円・21万円だったとします。

すると、この年の標準報酬月額は(20万円+18万円+21万円)÷3ヶ月=19.6万円となるわけです。

そして、この標準報酬月額をもとに、全国健康保険協会のHPに記載されている保険料額表と照らし合わせると、その年の9月からの1年間の健康保険料、厚生年金保険料が分ります。

下図を見て下さい。

全国健康保険協会HPよりhttps://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r03/r3ryougakuhyou3gatukara/

これは、令和3年分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表になります(大阪府)。

先ほどの例だと、4~6月の給料の報酬月額が19.6万円でしたので、標準報酬月額は20万円となり、等級17の赤枠部分が保険料になります。

この例でいうと、40歳未満の介護保険料負担がない方についての健康保険料が、全額で20,580円、厚生年金保険料が全額で36,600円となります。(1ヶ月)

会社員の場合はそれぞれ半分は会社が負担してくれますから、自己負担額は健康保険料10,290円、厚生年金保険料18,300円、計28,590円となるわけです。

サラリーマンの場合は、これらの保険料は、会社が給料から計算して引いてくれるため、あまり気にしていないかもしれません。

しかし、毎年4月~6月の給料で標準報酬月額が決まるため、もし、コントロールできるのであれば、例えば、4月~6月は意識的に残業を少なくし、給料を下げれば、これらの保険料率を下げることが可能になります。

そもそも、会社員の場合、自分の都合で給料をコントロールすることが難しいとは思いますが、在宅ワークなどの新しい働き方が模索されている昨今では、今まで以上に、自在にコントロールできる人も出てくるかもしれません。

是非覚えておいて下さい。

② 会社員の医療保険制度

ここでは、サラリーマンの医療保険制度について、詳しく見ていきたいと思います。

(ちなみに、年金保険については、話がそれてしまうので、また別の投稿で詳しく説明させて頂きたいと思います。)

前述したように、会社員とその家族は健康保険に加入します。

この健康保険にも2種類あって、主に中小企業の役員や従業員が入る全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)と、主に大企業の役員や従業員が入る組合管掌健康保険(組合健保)があります。

そして、これら健康保険には様々な制度があります。

被扶養者制度】

被扶養者が年収130万円未満であれば、配偶者や親族自身が保険料負担をしなくとも、被保険者(保険料を支払っている人)の扶養に入ることができ、扶養者は保険料負担が免除されます。

療養の給付】

一番身近に利用している制度ではないでしょうか?

病院の窓口で支払う医療費に対して、自己負担額を軽減できます。70歳未満であれば3割負担、小学校入学前のこどもは2割負担、70~74歳の方は原則2割負担、75歳を超えると1割負担となります。

(収入等により、一部例外あり。)扶養家族も同様の自己負担率で治療を受けられます。

高額医療費】

医療機関の窓口で、自己負担割合を支払いますが、例えば手術や入院などで、1ヶ月の支払額が自己負担限度額を超えた分は、申請により高額療養費が給付されます。

高額療養費は所得区分により金額が異なるため、所得が低ければ低いほど、負担額は小さくなります。

【傷病手当金・出産手当金】

傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間の後、休業4日目以降の給与の支払いがない日に対して支給されます。

給付額は、支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額の平均額÷30日✕2/3で算出されます。

傷病手当金=支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額の平均額÷30日✕2/3

出産手当金は、出産前の42日間+出産後の56日間、休業1日に対して、1日あたりの額の2/3(傷病手当金の算出方法と同様)が支給される制度です。

出産手当金=出産前42日間+出産後56日間✕(支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額の平均額÷30日✕2/3)

※傷病手当金、出産手当金の制度は、被扶養者は適用できませんので注意が必要です。

【産育児一時金】

被保険者や被保険者の被扶養者が出産すると、出産育児一時金(家族出産一時金)が42万円支給されます。

自分自身で受け取ることもできますが、医療機関が受け取り、窓口負担を軽減するのが一般的です。

【埋葬料】

被保険者や被扶養者が死亡した場合に、申請により、埋葬料として5万円を限度に実費額が支給されます。

3、会社員の医療保険・年金保険で注意すべきこと

ここまで、社会保険の仕組みから、保険料の算出方法、会社員の医療保険制度について詳しく見てきました。

最後に、会社員の方が注意すべき事について、私の経験談を交えてお話していきたいと思います。

私の妻も会社勤めをしており、私の扶養に入ることなく、自分で会社の健康保険に加入していました。

毎月、保険料も引かれていましたが、給料明細が送られてくるのが遅いこともあり、何にいくら引かれているのか、気にすることなく毎月の給料を受け取っていたのです。

そんな中、妻が妊娠し、つわりがひどく、約2ヶ月間休業したため、今回の記事で触れた、傷病手当金の申請をすることになりました。

申請用紙に記入し、送るだけの作業なので、申請自体には時間がかからず、その後、申請が受理され、指定の口座に傷病手当金が振り込まれましたが・・・

金額が明らかに低く、受け取った給料から標準報酬月額を調べてみても、全く合わなかったのです。

その当時は、私自身、社会保険などのリテラシーが全くなく、「そういうものなのかな」ぐらいに思っていたのですが、不思議に思って色々調べてみることにしました。

すると、驚くべき事実が発覚したのです。

妻が本来受け取っていた給料で標準報酬月額を算出すると、等級にして19(標準報酬月額240,000円)だったのですが、実際は、等級5の保険料で申請されていたのです。

等級5だと標準報酬月額98,000円となり、実際受け取っていた給料の半額以下になります。

支払っていた保険料が少なかったのですから、もらえる傷病手当金も少なくなるのは当たり前です。

会社側から見ると、健康保険料も、厚生年金保険料も、従業員と折半になるため、半額を負担しなくてはなりません。

そこで、少しでも保険料の経費を削減するために、実際に従業員に支払っていた給料より、大幅に過少な額で申告されていたのです。

見方によっては、毎月給料から天引きされていた保険料は本来より低く、そのため、月々の手取額が増えるので、問題ないようにも思えるかも知れません。

しかし、妊娠や出産で収入がなくなった際の補填や、将来の年金の受取額のことを考えると、かなりの損失になってきます。

私の妻の場合、働いて2年ほどしか経っていなかったため、まだこれからやり直すことはできますが、もし定年退職する時まで気づかなかったともなると、取り返しがつかない事態になります。

4、まとめ

妻の会社での経験を通して、会社に依存して、給料をもらって生きるということは、このようなリスクがあるのだということに初めて気づきました。

「会社員だから会社が全てやってくれる」と考えるのではなく、「なぜこうなっているのか」を、知ろうとすることこそが重要です。

みなさんも、「なぜ?」という疑問を持ち、自身の給与明細を眺めてみて下さい。

そして、私と同じような失敗をしないように、是非お金や社会保険など、様々なリテラシーを身につけて下さい!

この記事が、少しでもそのきっかけになれば嬉しいです!!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

 


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この記事を書いた人

33歳、妻・0歳児息子の3人家族
通信業勤務10年、携帯・NET関係のプロ。経済的に会社に依存している状態に危機感を抱き、FP・簿記を取得、「お金」について学ぶ。
家計・通信の節約、資産運用、おすすめ書籍紹介など、役に立つ情報を発信。
ブログ2ヶ月でGoogle AdSense合格、7ヶ月で4桁収益達成。

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